パニック障害であることについて

パニック障害であることについて

2021/03/18

タイトルの通り、自分がパニック障害であることを告白しようと記事を書くことにしました。 これを読むほとんどの人に初めてお伝えすることですが、 実は7年前から患っており、いまだ向き合い続けている自分の病気です。

ずっと言いたくて、言えなかったことなのですが、去年タカヤ・オオタさんのBlogを拝見し影響されたことから始まり、今朝メルカリ時代の同僚であるtenntennさんのBlogを読んだことで背中を押され、今回Blogに書いてみようと思うに至りました。

先に言っておくと、もう7年付き合っているので、そんなに心配いただかなくて大丈夫です!

目次

発症のタイミングと原因

発症は2014年の初頭、大学1年から2年に進級するくらいの頃で、もう7年前も前になります。 原因については分かりません。

そもそもパニック障害の原因ははっきりしないケースがほとんどらしいですが、ストレスの積み重なりによって突然発症することが多いと言われています。

その前年の2013年に悪性腫瘍(平たく言えばガン)が見つかり、手術と入退院を繰り返すという1年を過ごしたので、もしかしたらそれが原因だったかもしれませんが、本当のところは分かりません。

というのも、当時の僕はめちゃくちゃ楽天家だった&事の重大さをあまり理解していなかったので、自覚的なストレスがあまりなかったのです。 ですが、今冷静に振り返るとストレスがあったに決まってるよな、と思っています(笑) (※ちなみにこの腫瘍は完治しています)

そんなこんなで2014年のあるときから、電車に乗るときにパニック症状が出るようになりました。 そこから徐々に症状の出る場所が増えていきました。

症状とそれを起こす状況

僕の場合は、パニック発作で下記のような症状が出ます。

  • 動悸
  • 発汗(手汗がまじでやばいです)
  • 息の仕方がわからなくなるような感覚(窒息感)
  • とにかく落ち着かない感覚、極度の緊張感

ちなみにパニック障害では「過呼吸を起こす」というのが典型的な症状として有名ですが、僕の場合は今のところそれはなく、7年で一度も起こしたことはありません。

また、発作のトリガーとなる状況は以下のようなパターンが多いです。

  • 物理的に逃げ出せない状況
    • 電車、バス、飛行機、遊園地のアトラクション
  • 社会的に逃げ出せない状況(気軽に入退室ができない雰囲気等)
    • 美容室、映画館、会社の会議

細かくいえば他にもありますが、まあこんな感じです。 頻度としては必ずなるわけではなく、調子が良いと全然平気なこともあります。 時間も1日中なるわけでなく、15分から長くても30分程度です。(1日に複数回なることはあります)

また、過呼吸にならないということもあり、症状が出てもなんとかやり過ごすことができることの方が多いです。

そのため、僕の場合は他人から見てほとんど分からないことが多いらしく、言い出すきっかけを作れなかった理由はそこにもあったような気がします。 告白しても「全然分からんかった」って言われることがほとんどです。

どのように接してほしいか

これまでと変わらずいていただけたら嬉しいです。 飲み会や遊びも、ぜひ変わらずに誘ってください! 特に何か気を遣っていただく必要もないです。

ただ、これからはしんどいときは「今ちょっとダメかも」って言わせてもらおうかな、と思ってます。 その場合も基本的に少しの間、ほっといてもらえれば大丈夫です。

もちろん仕事とかもこれまでのパフォーマンスと変わりませんので、ご安心ください。

なぜ告白したかったのか

本当は冒頭に書くべきなのですが、長くなってしまったので、最後にしました。 僕がパニック障害であることを告白したかった理由は、以下の3つです。

  • これまでのしこりを解きほぐしたい
  • 言わざるを得ないケースが出てきた
  • もしかしたら誰かのためになるかも知れない

これまでのしこりを解きほぐしたい

これはタカヤ・オオタさんのBlog以上に適切な表現が見つからなかったので、そのまま引用させてもらいます。

ずっと今でもパニック障害のことが頭の片隅にあって、仕事のやり方も、個人的な時間の過ごし方や人との付き合い方も、自分で自分のことをケアできなくなる種に過敏で、最大限に回避しながら生きている。 そのせいで他の人から見ると変だと思われる行動も山ほど残してきただろう。 何も言わず察せるわけない、だからこうして文章に残すことで、ずっと残っているしこりを少しずつ解きほぐせないかと思ったのだ。

僕もまさに同じような感じで、パニックが起きそうな状況を最大限回避しながら過ごしてきました。 その中で、他人から見たら不可解な行動もたくさんとってきたと思っています。

  • (映画館に誘われたら困るので、)映画は見ないキャラを装ってきたこと
  • ライブハウスでは後ろでゆっくり見たい派を装ってきたこと(本当は身動きが取れない前方に行けないだけ)
  • スキーには全然興味がないフリをしてきたこと(リフトに乗る自信がないだけ)
  • 旅行先を決めるとき、近場にばかりに行きたがること(長距離の移動に自信がないだけ)

例を書き出してみるとしょうもないですけどね(笑)他にもたくさんあります。 でもこういう積み重ねてきてしまったしこりを、今回告白することで少しでも解きほぐせたらいいなと思っています。

言わざるを得ないケースが出てきた

現在、治療のため常用している薬があり、大好きなお酒が飲めなくなってしまいました。 毎度説明するのもなんかちょっと盛り下げちゃいそうだし、毎回嘘をつくのも嫌なので言った方がいいな、となりました。 (コロナ明けたら飲みましょう!自分だけ飲めない状況も全然平気です)

ちなみに僕は、7年騙し騙し生活した末に、最近治療を始めたのですが、早期治療の方が有効らしいので、気になる症状がある方は早めの受診をお勧めします。

もしかしたら誰かのためになるかも知れない

みんながみんなそうではないと思いますが、僕はタカヤ・オオタさんやtenntennさんのBlogを読んでとても勇気付けられました。 「似たような辛さをもちながらもビジネスの最前線でやっている人がいる」という事実は仕事を頑張りたい僕にとっては大きな支えとなりました。

それと同時に、もしかしたら僕の告白も誰かの支えになるかも知れないと思いました。

厚生労働省の記事を読むと、一生の間にパニック障害になる人は100人に1~2人いると書いてあり、決して珍しいものではないのかなと思います。 もしかしたら僕の身近な人にもいるかも知れません。 もし僕の告白で勇気付けられる人が1人でもいるならば、書く意味があると思いました。

最後に

「結構親しくしてきたつもりなのに、このBlogで初めて知った」という方、ごめんなさい!

「大好きな友人に面倒だと思われたらどうしよう」 「言ったことによって気を遣わせてしまい、自分のせいで遊び方が制限されてしまったら嫌だな」 そう思うと、親しい人であればあるほど、大好きな人であればあるほど言えずにいたことでした。 どうかお許しください!

また、僕はパニック障害であることに絶望していません。 これによって良かったこともたくさんあります。 家族、彼女、何らかのきっかけでたまたま言うことができた友人、これらの人から無償の愛やサポートを受けることができ、そのありがたさを日々再確認することができます。

そして何より、自分の性格がかなり変わりました。 以前の自分より人に優しくできるようになりました。 人それぞれの持つ苦悩を想像してコミュニケーションが取れる人になりたいと思うようになり、 誰かの辛いことに対して、共感できなくても理解できる人間になりたいと思うようになりました。

そう思いながら7年という歳月を過ごした、今の自分の方が好きです。 なので不思議なことに、パニック障害になる前の自分に戻りたいとは思っていません。 (※もちろんめちゃくちゃ治したいですが)

あと、あくまでパニック障害は治る病気ですので、これまで通り気長に付き合っていきながら治していこうと思っています。 時間はかかるかもしれませんが、人生をかけてこのプロジェクトもマネジメントしていきたいと思っています(笑)

最後まで読んでいただきありがとうございました。

※本来はプロダクト作りやキャリアについて発信するBlogです。